10月も終わりに近づくと、朝の空気がひやりと変わります。店先の花も、夏のあいだの鮮やかな色から、菊や実もの、色づいた枝ものへと少しずつ入れ替わっていきます。11月は、暦の上で冬が始まる月。それでいて七五三や酉の市、いい夫婦の日など、人が集まり、何かを贈りたくなる行事がいくつも重なる、にぎやかなひと月でもあります。
この記事では、2026年の11月をカレンダーのように順に追いながら、暦のこと、行事のこと、出回る花のこと、そして植物の冬支度までをまとめました。花屋の目線で「いつ、何を準備しておくと慌てずにすむか」を添えていますので、来月の段取りを立てるときの手元のメモとして使っていただけたらうれしいです。
2026年11月のおもな日付
- 11月3日(火) 文化の日
- 11月7日(土) 立冬/一の酉
- 11月15日(日) 七五三
- 11月19日(木) 二の酉
- 11月22日(日) 小雪/いい夫婦の日
- 11月23日(月) 勤労感謝の日
※立冬・小雪は国立天文台の暦要項によります。酉の市の日付は十二支の巡りで決まり、2026年は三の酉がない年です。
霜月という呼び名と、11月の暦
「霜月」の由来はひとつではない
旧暦の11月は「霜月(しもつき)」と呼ばれてきました。もっともよく知られているのは、霜が降りる月を意味する「霜降月(しもふりづき)」が縮まったという説です。ほかにも、収穫を終えた食べ物を味わう月という意味の言葉が変化したという説や、「神楽月(かぐらづき)」という別名とあわせて、収穫を神に感謝する祭りの多い月だったことに結びつける見方もあります。どれが正解と決まっているわけではなく、いくつもの説が語り継がれてきた呼び名です。
なお、旧暦の11月は今の暦でいうとおよそ12月ごろにあたります。いまの11月に霜が降りる日はまだ多くありませんが、月の終わりには、朝の冷え込みで畑や芝生がうっすら白くなる日も出てきます。
立冬(11月7日)——暦の上の冬の始まり
二十四節気(にじゅうしせっき)は、一年を太陽の動きに合わせて24に分けた季節の目安です。国立天文台が発表している2026年の暦要項によると、立冬は11月7日。この日から2月初めの立春の前日までが、暦の上での冬になります。
二十四節気をさらに約5日ずつ3つに分けたものが七十二候(しちじゅうにこう)です。立冬の3つの候は、次のとおりです。
- 山茶始開(つばきはじめてひらく) 11月7日ごろ。「山茶」と書きますが、ここでは山茶花(さざんか)のことを指すとされます。垣根の山茶花が咲き始めるころです。
- 地始凍(ちはじめてこおる) 11月12日ごろ。冷え込みが増し、大地が凍り始めるころ。霜柱が立つ地域も出てきます。
- 金盞香(きんせんかさく) 11月17日ごろ。ここでいう「金盞」は水仙のこと。白い花びらの中央にある黄色い部分を金の杯に見立てた呼び名です。
花屋にとって、立冬の候はそのまま店頭の移り変わりに重なります。山茶花の枝、そして月の後半からは水仙の切り花や球根が並び始めます。
山茶花と椿の見分け方
よく似た山茶花と椿ですが、咲く時期と花の散り方で見分けられます。山茶花は晩秋から冬の初めにかけて咲き、花びらが一枚ずつはらはらと散ります。椿はおもに冬から春に咲き、花がまるごと首から落ちるように散るのが特徴です。立冬のころ、垣根の足元に花びらが散り敷いていたら、それは山茶花の可能性が高いでしょう。
水仙を飾るときのひと手間
水仙を切り花で楽しむときは、ほかの花と生ける前に少し気をつけたいことがあります。水仙の茎を切ると、切り口からぬめりのある液が出てきます。この液がほかの花の水の吸い上げを妨げることがあるといわれるため、混ぜて生ける場合は、水仙だけを別の容器で数時間水に浸けてから合わせると安心です。また、水仙は全体に毒性のある成分を含む植物です。小さな子どもやペットが口にしない場所に飾ってください。
小雪(11月22日)——雪がちらつき始めるころ
2026年の小雪(しょうせつ)は11月22日です。北国や山では初雪の便りが届き始めるものの、まだ積もるほどではない、という意味の名前です。七十二候は次の3つです。
- 虹蔵不見(にじかくれてみえず) 11月22日ごろ。日差しが弱まり、空気が乾いて、虹を見かけなくなるころ。
- 朔風払葉(きたかぜこのはをはらう) 11月27日ごろ。「朔風」は北風のこと。冷たい風が木の葉を吹き散らすころです。
- 橘始黄(たちばなはじめてきばむ) 12月2日ごろ。日本に古くから自生する柑橘、橘の実が黄色く色づき始めるころ。
七十二候の日付は年によって1日ほど前後します。上の日付は「このあたり」という目安としてご覧ください。
11月3日・23日——ふたつの祝日の由来
文化の日(11月3日)
文化の日は、1946年11月3日に日本国憲法が公布されたことにちなむ祝日です。祝日を定めた法律では「自由と平和を愛し、文化をすすめる」日とされています。この日には文化勲章の親授式が行われ、各地で美術館の無料公開や文化祭なども開かれます。秋晴れになりやすい日として知られ、行楽や庭仕事にちょうどよい一日です。
勤労感謝の日(11月23日)——もとは新嘗祭
勤労感謝の日は「勤労をたっとび、生産を祝い、国民たがいに感謝しあう」日です。この日はもともと、その年に収穫された新しい穀物を神に供え、実りに感謝する「新嘗祭(にいなめさい)」の日でした。戦後に祝日の名前と意味が改められ、現在の勤労感謝の日になりました。新嘗祭そのものは、いまも宮中や各地の神社で営まれています。
働く家族や、日ごろお世話になっている人に、小さな花を手渡すきっかけにもなる日です。大げさな花束でなくても、一輪の秋バラや小さな菊のアレンジで十分気持ちは伝わります。
七五三(11月15日)——由来と、お祝いの花の準備

七五三って、数え年と満年齢のどちらで祝うのが正しいんですか?

いまはどちらでもよいとされています。祝う年齢や日にちも、地域や家によってさまざまですね。

子どもに贈る花束は、どのくらいの大きさがいいでしょう?

子どもが自分で持てる大きさが目安です。大きすぎると、写真で主役の顔が隠れてしまいますから。
髪置・袴着・帯解という3つの儀式
七五三は、子どもの成長を祝い、これからの健やかな日々を願う行事です。もとになったのは、江戸時代ごろまでに武家や公家で行われていた3つの儀式だといわれています。
- 髪置(かみおき) 3歳。それまで短く剃っていた髪を伸ばし始める儀式。
- 袴着(はかまぎ) 5歳。男の子が初めて袴を身に着ける儀式。
- 帯解(おびとき) 7歳。女の子が着物の付け紐をやめ、帯を締め始める儀式。
11月15日に祝うようになった理由には諸説があります。この日が、婚礼以外の祝いごとに吉とされた「鬼宿日(きしゅくにち)」にあたったという説や、江戸幕府5代将軍・徳川綱吉の子、徳松の健康を祈る祝いがこの日に行われたことが広まったという説などが知られています。
数え年でも満年齢でも、日にちも柔軟に
もともとは生まれた年を1歳と数える「数え年」で祝うものでしたが、いまは満年齢で祝う家庭も多く、どちらでもよいとされています。きょうだいの年齢に合わせて一緒にお参りする、子どもの体力や着物のサイズに合わせて年を選ぶ、といった考え方もあります。
男の子は3歳と5歳、女の子は3歳と7歳に祝うのが広く見られる形ですが、男の子は5歳だけ、女の子は7歳だけ祝う地域や家庭もあり、祝い方は地域や家によって異なります。また最近は、11月15日にこだわらず、10月から11月にかけての家族の都合のよい週末に参拝する家庭が多くなっています。写真撮影を夏や秋の早い時期に済ませておく「前撮り」を選ぶ家庭もあります。
2026年の11月15日は日曜日です。当日やその前後の週末は神社も写真館も混み合いやすいので、日程が決まったら花の準備も早めに考えておくと安心です。
お祝いの花束と、写真のための花
七五三の花の出番は、大きく分けて3つあります。祖父母や親戚から子どもへ贈るお祝いの花束、家族写真に添える小さなブーケ、そして着物姿に合わせる髪飾りです。
子どもに贈る花束は、子どもが自分で持てる大きさが目安です。両手で抱えて顔が隠れてしまうほど大きいと、写真に撮ったときに主役が見えなくなってしまいます。この時期に手に入りやすいポンポンマム(丸い形の小菊)、秋バラ、ダリア、実もののヒペリカムなどは、着物の赤や朱、白にもよくなじみます。
生花の髪飾りは「前日に用意、当日に挿す」
着物姿に生花の髪飾りを合わせると、造花にはない瑞々しさが出ます。ただし生花ならではの注意点があります。
- 受け取りは前日が目安。何日も前に用意すると、花が開きすぎたり、傷んだりしやすくなります。
- 水が切れると萎れる。髪飾りにした花は茎から水を吸えないため、時間とともに少しずつ元気を失います。受け取ったら箱やケースに入れたまま、冷暖房の風が当たらない涼しい場所で保管してください。
- 挿すのは出かける直前に。朝の着付けやヘアセットの最後に付けると、撮影やお参りのあいだ、きれいな状態を保ちやすくなります。
- 花の種類を選ぶ。髪飾りには、菊やマム、ピンポン咲きの小菊、デンファレ(洋ランの一種)など、比較的水が切れても形が崩れにくい花が向いています。花びらの薄い花はしおれが目立ちやすいので、相談しながら選ぶと安心です。
小さな子どもは、慣れない髪飾りを気にして触ってしまうこともあります。重さのある大ぶりの飾りより、軽く小さなものを選ぶほうが、本人も嫌がりにくいでしょう。撮影の日とお参りの日が別の場合は、それぞれの日に合わせて用意するのがおすすめです。
酉の市——2026年は11月7日と19日

三の酉まである年は火事が多いって、本当なんですか?

それは俗説で、根拠があるわけではないんだ。火の用心を呼びかける意味で語られてきたともいわれるよ。

熊手には松や稲穂の飾りもついてるんだ。ボクの仲間も縁起物で活躍してるよ。
11月の酉の日に開かれる市
酉の市(とりのいち)は、11月の酉の日に、鷲(おおとり)神社や大鳥神社などで開かれる祭りです。東京では浅草の鷲神社がよく知られ、新宿の花園神社などでもにぎやかに行われます。日付は十二支の巡りで決まり、12日ごとに酉の日がやってきます。最初の酉の日を「一の酉」、次を「二の酉」、年によってはさらに「三の酉」まであります。
2026年は次の2日間です。
- 一の酉 11月7日(土)
- 二の酉 11月19日(木)
一の酉は、ちょうど立冬の日と重なります。2026年は三の酉がない年です。昔から「三の酉まである年は火事が多い」という言い伝えがありますが、これは俗説で、根拠があるわけではありません。寒くなり火を使う機会が増える時期に、火の用心を呼びかける意味合いで語られてきたともいわれます。開催時間や露店の様子は神社ごとに異なりますので、お出かけ前に各神社の案内を確かめてください。
縁起熊手のこと
酉の市の名物といえば、境内にずらりと並ぶ縁起熊手です。落ち葉をかき集める熊手の形から、運や福を「かき込む」縁起物とされ、商売繁盛や家内安全を願って買い求める人が多くいます。おかめの面や小判、米俵、鶴亀、松竹梅など、おめでたい飾りがぎっしりと付けられているのが特徴です。
熊手の買い方や飾り方、年ごとの買い替え方には、さまざまな習わしが伝えられています。小さなものから始めて毎年少しずつ大きくしていく、といった話もよく聞かれますが、決まりがあるわけではなく、地域や家、お店によって考え方は異なります。迷ったら、熊手を扱う露店の方や神社に尋ねてみるのがいちばん確かです。
酉の市は夕方から夜にかけてもにぎわいますが、11月の夜はかなり冷え込みます。人出の多い時間帯は境内を歩くのにも時間がかかるので、温かい服装で、時間に余裕を持って出かけるとよいでしょう。熊手を買ったあと電車で持ち帰る場合は、大きさにも気を配ると、帰り道が楽になります。
熊手には松や稲穂、紅白の飾りなど、植物をかたどったものも多く使われています。お正月飾りにも通じる、冬のはじめの縁起の形といえるかもしれません。
いい夫婦の日(11月22日)に花を贈るという選択肢
11月22日は「いい(11)ふうふ(22)」の語呂合わせから「いい夫婦の日」とされています。1988年に、当時の財団法人余暇開発センターが、夫婦でゆとりある時間を楽しむ暮らし方を提案したことがきっかけで生まれた記念日です。2026年の11月22日は日曜日で、ちょうど小雪の日と重なり、翌日は勤労感謝の日の祝日です。
結婚記念日や誕生日ほど構えずに、「いつもありがとう」を伝えられる日として、花を選ぶ方もいます。贈り方のヒントをいくつか挙げておきます。
- 小さく、さりげなく。食卓に飾れる程度の小さな花束やアレンジなら、受け取る側も気負わずにすみます。
- 季節の花を選ぶ。秋バラ、シックな色のダリア、ポンポンマム、紅葉した枝ものなど、11月らしい花はそれだけで話題になります。
- 長く楽しむなら鉢花。シクラメンの小鉢は冬じゅう咲き続けるので、ふたりで世話をする楽しみもできます。
- 連休にかけて飾る。2026年は22日から23日が続くので、前日の21日に受け取り、連休のあいだ部屋に飾るという段取りもできます。
いい夫婦の日は、パートナーに限らず、両親や祖父母にお祝いの花を贈るきっかけにもなります。七五三で顔を合わせた家族に、もう一度花で「ありがとう」を届けるのもすてきな使い方です。
11月に出回る花——菊、秋バラ、鉢花、枝もの、実もの

菊って仏花の印象があるんですが、贈り物にしても大丈夫ですか?

最近は洋風の花束にもよく使われます。ポンポンマムなどは色も豊富で、日持ちもよい花ですよ。

水に浸かる葉っぱを取ってくれると、ボクたち菊はもっと長く元気でいられるよ。
11月の花屋は、夏から秋への流れと、冬に向かう流れがちょうど交差する時期です。色合いは深く、落ち着いたものが中心になり、そこに冬の鉢花が少しずつ加わっていきます。
菊——いちばんの旬
菊は一年を通して出回る花ですが、もともとの旬は秋。11月は各地で菊花展が開かれる、菊がもっとも映える季節です。一本の茎に大きな花をひとつ咲かせる「輪菊(りんぎく)」、枝分かれして小さな花をたくさん付ける「小菊」、まん丸の形がかわいらしい「ポンポンマム」など、姿もさまざまです。
菊というと仏花の印象が強いかもしれませんが、最近は洋風の花束にもよく使われます。ポンポンマムやスプレーマム(枝分かれして咲く洋菊)は色も豊富で、七五三やいい夫婦の日の花束にも向いています。菊は水が下がりにくく日持ちのよい花なので、贈り物にも安心です。水替えのときに茎の先を少し切り戻すと、さらに長く楽しめます。
菊を長持ちさせるコツは、水に浸かる部分の葉をきれいに取り除くことです。葉が水に浸かったままだと傷みやすく、水が濁る原因になります。花瓶の水は、できれば毎日、少なくとも2〜3日に一度は取り替えましょう。
秋バラとダリアの終盤
秋のバラは、春に比べて花数は少ないものの、気温が下がるぶんゆっくり咲き、色が深く、香りも豊かになるといわれます。ダリアは夏の終わりから秋にかけてが見ごろで、11月はそろそろ終盤。大輪のダリアを花束に使いたい場合は、月の前半のほうが選択肢が多いでしょう。
シクラメンとポインセチア——冬の鉢花の始まり
11月に入ると、店頭にシクラメンの鉢が並び始めます。冬の鉢花の代表で、上手に育てれば春先まで次々と花を咲かせます。置き場所は、日当たりのよい、暖房の風が直接当たらない涼しめの室内が向いています。暖かすぎる部屋では花が早く終わりやすくなります。
月の後半からは、クリスマスの花として知られるポインセチアも出始めます。赤く色づいて見える部分は、実は花ではなく苞(ほう)と呼ばれる葉の一種です。寒さに弱いので、持ち帰るときは袋や紙で包み、冷たい風に当てないようにするのがポイントです。
ポインセチアは、10℃を下回る場所に長く置くと葉を落としやすくなります。家では明るい窓辺に置き、夜は冷え込む窓際から少し離すとよいでしょう。水やりは土の表面がしっかり乾いてから。シクラメンもポインセチアも、鉢の受け皿に水をためたままにすると根が傷みやすいので、あふれた水は捨てておきます。どちらも、買った時点の状態をできるだけ保つことを目標に、のんびり付き合うくらいがちょうどよい鉢花です。
紅葉した枝ものと、実もの
11月ならではの楽しみが、色づいた枝ものです。紅葉したドウダンツツジや、葉が赤や黄に染まった枝を一本、大きめの花瓶に挿すだけで、部屋の中に秋の山の気配が生まれます。枝ものは水を吸い上げる力が強いので、水を切らさないように、花瓶の水の量をこまめに確かめてください。
実ものも充実する時期です。
- ヒペリカム つやのある丸い実が房のように付きます。赤、ピンク、緑、茶など色が豊富で、花束のアクセントに重宝します。
- ツルウメモドキ 黄色い殻が割れると、中から朱赤の実がのぞきます。つるの曲線を生かして、リースの土台にもよく使われます。
- ノバラの実 小さな赤い実が枝いっぱいに付く、素朴な風情のある実ものです。
実ものは花に比べて長持ちしやすく、乾いてもそのまま飾れるものが多いのが魅力です。ただし、小さな子どもやペットのいる家庭では、実を口に入れないよう飾る場所に気をつけてください。
植物の冬支度——取り込み、水やり、暖房の風

外に出していた観葉植物、いつごろ部屋に入れればいいんですか?

最低気温が10℃を下回る日が出てくる前が目安だね。取り込む前に、葉の裏の虫も確かめておこう。

エアコンの風が直接当たる場所は苦手なんだ。ボクたちを風の通り道から外してね。
立冬を過ぎると、ベランダや庭に出していた鉢植えの冬支度を考える時期です。東京あたりでも、11月の後半には朝の気温がぐっと下がる日が出てきます。
観葉植物は早めに室内へ
夏のあいだ屋外で育てていた観葉植物の多くは、熱帯や亜熱帯の生まれで寒さが苦手です。最低気温が10℃を下回る日が出てくる前を目安に、室内へ取り込んでおくと安心です。取り込む前に、葉の裏や鉢の底に虫が付いていないかを確かめ、枯れ葉を取り除いておきましょう。室内では、日の入る窓辺が基本ですが、夜は窓際がかなり冷え込むので、夜だけ部屋の内側へ移すのもひとつの方法です。
水やりの回数を減らす
気温が下がると、植物の生長はゆっくりになり、水を吸う量も減ります。夏と同じペースで水をあげ続けると、土がいつまでも湿ったままになり、根が傷む原因になります。冬の水やりは、土の表面が乾いてから、さらに数日おいて与えるくらいが目安です。指で土に触れて、中まで乾いているかを確かめる習慣をつけると失敗が減ります。水をあげるのは、気温の上がる晴れた日の午前中がおすすめです。
暖房の風を避ける
暖房を使い始めると、室内の空気は思った以上に乾燥します。エアコンの風が直接当たる場所に植物を置くと、葉が傷んだり、急に水切れを起こしたりしやすくなります。風の通り道から外して置き、乾燥が気になるときは霧吹きで葉に水をかけてあげるとよいでしょう。切り花も同じで、暖房の風が当たらない場所に飾るほうが長持ちします。
12月の準備は11月から——リースと正月飾り
11月も後半に入ると、花屋はクリスマスとお正月の準備で一気に慌ただしくなります。クリスマスリースやスワッグ(壁に掛ける枝の束)、門松やしめ飾りといった正月飾りの予約が始まるのも、この時期です。
クリスマスリースは、アドベント(クリスマスまでの約4週間)の始まりに合わせて、12月の初めから飾り始める家庭が多いようです。2026年なら、11月の下旬には手元にあると余裕を持って飾れます。正月飾りは、12月の中旬以降に飾るのが一般的ですが、飾り始める日や片付ける日の考え方は地域や家によって異なります。いずれも、人気の形や素材は早めに埋まることがあるので、気になるものがあれば11月のうちに相談しておくと安心です。
11月の段取りメモ
- 11月上旬 観葉植物の取り込みと、水やりのペースの見直し
- 七五三の日程が決まったら 花束・髪飾りの相談(髪飾りの受け取りは前日)
- 11月7日・19日 酉の市(開催時間は各神社で確認)
- 11月21日ごろ いい夫婦の日の花の受け取り
- 11月中 クリスマスリース・正月飾りの予約
山茶花が咲き、水仙が香り始め、北風が木の葉を払っていく。11月は、季節が静かに冬へと歩みを進めるひと月です。行事の多い月ではありますが、ときどき足を止めて、窓辺の菊や一本の紅葉した枝に目をやる時間も大切にしたいものです。暮れの忙しさが始まる前のこの時期に、少しだけ先回りして準備をしておけば、12月をゆったりとした気持ちで迎えられるはずです。
🛒 11月の花を長く楽しむために
💧 クリザール フラワーフード——花瓶の水に糖分と殺菌剤を補う「切り花のごはん」。水1Lに20mlが目安です
✂️ 坂源 ハンドクリエーション(花鋏)——両刃なので、細くやわらかい茎をつぶさずに切れます
KIKYOYA FLOWERS
東京・神楽坂の花屋 桔梗屋
季節のお花、観葉植物、贈りもののご相談を承っています。
ご自宅用の一輪から、お祝い・お供えのお花まで、どうぞお気軽に。
