東京や横浜などでは7月13日が「迎え盆」。ご先祖様を家にお迎えする日です。お墓参り、迎え火、仏壇のお供えと、家族で過ごす大切な一日。

お盆のお花選びについては、お盆と花屋の記事もご覧ください。
🔥 「迎え火」の意味——ご先祖様の「道しるべ」
7月13日(東京新盆)の夕方、玄関先で麻幹(おがら)を焚いて行う「迎え火」。これは「あの世から帰ってくるご先祖様が、家に迷わず辿り着けるように」という道しるべの儀式です。
🪴 マンションで迎え火ができない場合
- 🕯️ キャンドル・LED灯でも代用OK
- 🌿 玄関に緑色の植物を一鉢置いて「道しるべ」に
- 🏮 ベランダに提灯型のライトを吊るす
- 🌸 仏壇に白いお花を一輪追加

火を焚くのが難しい現代でも、「ご先祖様を意識する気持ち」があれば形は問題ありません。お盆と花屋の記事もぜひ。
🎏 お盆に飾るもの、ぜんぶ意味があります【一覧で解説】
お盆の設え(しつらえ)には、ひとつひとつにご先祖様への想いが込められた意味があります。「なんとなく飾ってた」ものの由来を知ると、お盆がぐっと味わい深くなります。
🥒 きゅうりの馬(精霊馬・しょうりょううま)
きゅうりで作る馬は、「ご先祖様が“少しでも早く”家に帰ってこられるように」という願い。足の速い馬に乗って、あの世から急いで来てほしい——という想いが込められています。
🍆 なすの牛(精霊牛・しょうりょううし)
なすで作る牛は、「帰りは“ゆっくり”あの世へ戻れるように」、そして「たくさんのお供え物を牛に載せて持ち帰ってもらう」という願い。歩みの遅い牛で、名残を惜しみながら——という優しい心づかいです。

行きは馬で速く、帰りは牛でゆっくり。「早く会いたい、でも帰りは惜しい」——ご先祖様への愛が、野菜の乗り物ひとつに詰まってるんだね。
🏮 鬼灯(ほおずき)
赤い提灯のような形の鬼灯は、「ご先祖様が帰ってくる時の“灯り”=提灯の代わり」とされます。お盆の精霊棚(しょうりょうだな)に吊るして、道しるべの明かりに見立てます。鬼灯について詳しくはこちら(桔梗屋でも鬼灯を販売しています)。
🌾 禊萩(みそはぎ)
お盆の花として欠かせないのが「みそはぎ」。名前は「禊(みそぎ)+萩(はぎ)」が由来とされ、「お清め」の意味を持つお花です。水を含ませたみそはぎの穂で、お供え物やお墓に水を注ぐ「閼伽水(あかみず)」の作法に使われます。

みそはぎは「盆花(ぼんばな)」とも呼ばれ、地域によってはお盆に必ず飾る大切なお花。桔梗屋でもこの時季にご用意しています。
🗾 地域によって、飾るものはさまざま
お盆の飾りは、地域ごとに個性があります。「うちはこうだった」「あの地域では違う」——そんな多様さも、日本のお盆文化の豊かさです。
- 🌿 まこも(真菰):精霊棚に敷くゴザ。神聖な植物とされる
- 🍎 季節の果物・野菜:初物をお供えする地域も
- 🍡 お団子(迎え団子・送り団子):地域で数や形が異なる
- 🌸 盆花(山の花・野の花):桔梗・女郎花・萩など秋の七草を飾る地域
- 🏮 盆提灯:新盆(初盆)には白提灯を用いる地域が多い
- 🕯️ 切子灯籠(きりことうろう):一部地域で吊るす美しい灯籠

地域でこんなに違うんですね!実家のお盆を思い出しました。

そうなんです。「正解は一つじゃない」のがお盆の良いところ。ご家庭やご先祖様の土地の慣わしを大切にされるのが一番です。
🔥 「おがら」は実は“麻”——古くから神聖とされてきた植物
迎え火・送り火で焚く「おがら(苧殻・麻幹)」。実はこれ、「麻(あさ)」の茎の皮をはいだ芯の部分なんです。

えっ、おがらって麻だったんですか!?

はい。麻は日本で古来「けがれを祓う神聖な植物」とされてきました。神社のしめ縄や、神事の道具にも麻が使われます。お盆に麻(おがら)を焚くのは、その炎で場を清め、ご先祖様を迎える——という、とても深い意味があるんです。

麻は成長が早く、まっすぐ伸びるから、昔から「まっすぐ健やかに育つ」象徴でもあったんだ。神聖な植物として大切にされてきた歴史があるんだよ。
麻や榊など、日本の神聖な植物については「夏越の祓と茅の輪くぐり——神社の神聖植物(茅・麻・榊)」の記事でも詳しく紹介しています。あわせてどうぞ。
🌿 おがら(麻幹)は桔梗屋で販売しています
迎え火・送り火に使う「おがら」も、桔梗屋でご用意しています。「どこで売ってるの?」と毎年お問い合わせをいただく季節の品。マンションで火が焚けない方には、飾るだけでも意味のある設えになります。神楽坂にお越しの際はお気軽にどうぞ。
📅 そもそも、なんでお盆は「7月」と「8月」の2回あるの?
「うちは8月がお盆」「こっちは7月だよ」——地域で分かれるお盆。なぜ2つあるのでしょう?答えは、明治時代の「改暦(暦の切り替え)」にあります。
明治6年(1873年)、日本は旧暦(太陰太陽暦)から新暦(太陽暦)に切り替えました。すると、それまで旧暦7月15日だったお盆が、新暦ではおよそ1ヶ月ずれることに。ここで対応が2つに分かれました。
| 時期 | 呼び方 | 主な地域・背景 |
|---|---|---|
| 7月15日頃 | 新盆(しんぼん)・七月盆 | 東京都心部など。新暦の日付をそのまま採用 |
| 8月15日頃 | 月遅れ盆・旧盆 | 全国的に多数派。新暦に1ヶ月足して旧暦の季節感に合わせた |

じゃあ、8月盆が多いのは何か理由があるんですか?

よく言われるのが「農家の事情」です。新暦の7月中旬は、ちょうど農繁期(田んぼや畑がいちばん忙しい時期)と重なってしまう。ご先祖様をゆっくりお迎えする余裕がないので、ひと月ずらして、農作業が落ち着く8月にお盆をする地域が多く残った——というわけです。

東京は都会で農家が少なかったから7月盆のまま。地方は農作業に合わせて8月盆。暮らしのリズムが、お盆の日付を決めたんだね。旧暦と新暦の話は奥が深いなぁ。
ちなみに、東京の下町など7月にお盆を迎える「新盆」の地域では、まさに今がお盆の真っ最中。地域の慣わしに合わせて、心を込めてご先祖様をお迎えしましょう。
🌸 桔梗屋からのご案内
東京・神楽坂の花屋・桔梗屋では、季節のお花・観葉植物をご案内しています。
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※本記事は日本の暦・季節文化を紹介するものです。気軽な参考としてお楽しみください。


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