紅花栄(べにばなさかう)——5月末の七十二候とベニバナの不思議

咲き誇るベニバナの花 季節の花
出典:Wikimedia Commons

5月26日〜30日頃の七十二候は「紅花栄(べにばなさかう)」。鮮やかな朱色の花を咲かせるベニバナが、最も美しく見頃を迎える季節です。

店長
店長

ベニバナは、日本人の暮らしと深く結びついた花。化粧の紅、染料、薬用——古くから女性の美と健康に寄り添ってきた、特別なお花なんですよ。


🌺 ベニバナってどんな花?

ベニバナ(紅花)はキク科の植物で、エチオピア・エジプトが原産。シルクロードを経て中国・日本に伝わりました。日本では特に山形県が産地として有名で、「最上紅花」の名でブランド化されています。

咲き始めは黄色、徐々に朱色へと変わっていく姿が「移り紅」と呼ばれ、和歌にも多く詠まれてきました。

精霊くん
精霊くん

ベニバナ、ぼくの仲間のなかでも歴史が長いタイプ!化粧の紅になったり、お正月の鏡餅の上に飾られたり——日本人の人生のいろんな場面に登場してるよ。


💋 紅と染め——ベニバナの2つの顔

  • 化粧紅(口紅):江戸時代、ベニバナの色素を集めた「小町紅」は金と同じ重さで取引されたほど貴重。
  • 染料:絹を染める鮮やかな紅色は、平安貴族や江戸の女性に愛されました。
  • 食用油:種からはサフラワー油が取れます。

🌸 「装い」と「言葉」——ベニバナの色が教えてくれること

ベニバナの「紅(くれない)」は、ただの色ではありませんでした。古来の女性たちは、口に紅をさすことで「今日の自分を整える」儀式のような時間を持っていました。化粧紅は外見を飾るためだけでなく、気持ちにスイッチを入れる大切なひと手間だったのです。

店長
店長

日本には昔から「装う=心を整える」という考え方があります。着物の色を選ぶ、紅をさす、花を活ける——どれも「外側を整えると、内側も整う」という不思議な相互作用を信じてきたんですね。

🗣️ 言葉もまた、もうひとつの「装い」

日本には古来「言霊(ことだま)」という考えがあります。言葉には魂が宿り、口にした言葉が現実に影響を与えるという、万葉集の時代から続く文化です。

「言の葉(ことのは)」と書くように、言葉もまた葉のように生きていて、放った瞬間に空間に広がっていく。だからこそ、日本人は言葉を選ぶことを大切にしてきました。挨拶ひとつ、相づちひとつにも、相手と自分を整える力があると伝わります。

精霊くん
精霊くん

ぼくたち植物の世界では、優しい言葉をかけてもらった方が元気に育つって昔から言われてるんだよ!科学的にはまだ証明されてない部分も多いけど、感覚として「言葉の質」って確実にあるよね。

🤝 「類は友を呼ぶ」——自分の波長が引き寄せるもの

「類は友を呼ぶ」ということわざは、世界中に似た言い回しがあります(英語の “Birds of a feather flock together” など)。自分と似た性質の人や出来事が、自然と周りに集まってくるという人類普遍の知恵です。

東洋思想の世界では、これを「波長」「波動」といった言葉で表現することがあります。明るい言葉を放つ人の周りには明るい人が集まり、不平不満を口にしがちな人の周りには同じ気持ちの人が増えていく——という、シンプルだけれど深い考え方です。

スタッフ君
スタッフ君

店長、たしかに僕も最近、桔梗屋で働き始めてから「気持ちのいい話し方をするお客様」とご縁が増えた気がします。これって偶然じゃないんですかね?

店長
店長

偶然と言えば偶然、必然と言えば必然。自分の発する言葉と、引き寄せられるご縁は不思議とリンクする。これは何十年も花屋をやってきて、僕が感じてきた本当の話ですよ。

💎 暮らしに取り入れる小さな「言葉の装い」

難しく考える必要はありません。明日からできる、小さなことから。

  • 朝の自分に「今日もよろしくね」と一言かける
  • 植物のお世話のとき、「元気だね、ありがとう」と声をかける
  • 愚痴を言いたくなったら、まず一呼吸——口にする前に整える
  • 無理」「疲れた」を「少し休もう」に言い換える
  • 誰かを褒めたい気持ちがあれば、その場で口に出す
お客様
お客様

紅花のお話から、こんな大切な話につながるなんて思いませんでした…

店長
店長

日本人は古くから、「色」「言葉」「植物」を通して、目に見えない世界と繋がってきました。ベニバナの紅が女性を装ったように、言葉も心を装う。そう考えると、毎日の何気ない一言が、ぐっと愛おしくなりませんか。

ベニバナの花言葉のひとつに「装い・包容」があります。1500年もの間、人の暮らしに寄り添ってきた花から、「自分を整える」「人を包む」を学ぶ——そんな5月末の小さな気づきの時間になればと願っています。


🌸 5月末に楽しみたい「赤い」お花

  • 赤バラ:5月後半の二番花も艶やか。
  • ガーベラ(赤):明るく元気な印象。
  • カーネーション(赤):母の日後も続く定番。
  • 赤いシャクヤク:旬の朱赤が華やか。
店長
店長

陰陽五行で「赤」は「火」の気。情熱・名声・人気運の象徴です。仕事で勝負したい時、人前に立つ予定がある時に取り入れてみてください。詳しくは陰陽五行で選ぶ観葉植物もご覧ください。



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※本記事は日本の伝統的な暦・季節文化・東洋思想を紹介するもので、特定の効果・効能を保証するものではありません。気軽な暮らしの参考としてお楽しみください。

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